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著者 :

梁 石日

タイトル :

夜を賭けて (幻冬舎文庫)

     
出版社 : 幻冬舎
Studio : 幻冬舎
出版日 : 1997-04
媒体 : 文庫
サイズ : 縦:591hundredths-inches 横:394hundredths-inches
ASIN : 4877284508
ランキング : 90954位
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夜を賭けて (幻冬舎文庫)のamazon.co.jpカスタマーレビュー


5点
映画は前半、金義夫が逮捕されるまでを描いている。そのことで、「アパッチ」と並ぶ本書のもうひとつのテーマである、大村収容所の実態が映画には全く出てこない。大村収容所から帰ってきた金が、変わり果てた大阪兵廟をみるくだりは、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い起こさせる。在日朝鮮の人々にとっての経験の断絶は、45年の解放はいうまでもないが、「経済成長」が決定的であったことがよくわかる。
大村収容所の実態、ささやかながらこの大村収容所に異議を唱えた日本人たちの存在(映画ではこの役回り=「まともな日本人」を「警官」にするという、とんでもなくありえないことをしてしまっている)、50年代武装闘争路線下での在日活動家の経験・・・これらすべてが、アパッチの部落とともに、兵廟跡とともに、経済成長のなかで喪われていく。そうした経験の喪失に対する、抵抗の書として本書は読まれるべきかもしれない。

5点
活き活きと描かれる在日コリアンたち。

冒頭はあまりの荒くれぶりにただただ圧倒されてしまうのですが、
読み進んでいくにしたがって、
「今」を同じ国で生きる者たちが、
文化を尊重しあっていきていくことのすばらしさ・大切さを
深く深く考えたくなります。

作中にこんなことばが出てきます。

『在日朝鮮人は日本人から差別され軽蔑されて辛酸を舐めてきた。
 せやけど、わしらは何とかここまで生きてきたやないか。
 全部の日本人が悪いわけやない。中には親切なええ人もおる。
 それはどこの国へ行っても同じことや』

ワタシはこのように感じて生きている在日コリアンもいるのだと、
恥ずかしながら初めて知りました。
少なくとも、登場人物にこのようにいわしめる梁石日こそはそう感じているのでしょう。
すべての日本人が敵ではないと。
そのことばのなんと重いことでしょう。

在日コリアンの中にも、悪人もいれば善人もいる。
日本人の中にも、悪人もいれば善人もいる。
どこへ行っても、悪人も善人もいる。
このような自明の理を、
ワタシは梁石日によって諭されたように思います。



5点
 著者のヤン・ソギルが自身の体験を元にしたこの小説は、2003年に公開された映画と合わせて読むと良い(映画はDVD化されています)。

 行き場の無い在日コリアンたちが、警察と壮絶な戦いを繰り広げて金属スクラップを掘っては売り飛ばす様は本当に痛快です。同時に主人公の義男と節子の一途な愛の物語もまた泣かせてくれます。そして北朝鮮へ「帰国」した在日コリアンが、どのような運命をたどったかが1960年代にすでに知られていた事実も書かれています。そして大村収容所の悲惨な実態も。
 ピカレスクロマンを越えたこの作品は必読です。


4点
戦後、大阪の兵器廠跡を舞台に繰り広げられた在日(アパッチ)の戦いを描く。この「事件」は開高健の「日本三文オペラ」が闊達に描き出しているが、この本は言わば「当事者」の側からの記述である。また、アパッチ壊滅後、在日に課せられた大村収容所の地獄をも描き出す。この大村収容所の存在を知っている日本人が、果たしてどれほどいるだろう?(私も知らなかった。) 今でも続いている在日の戦いを描く。

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